東芝メモリ(株)
キャリア採用

ストレージビジネスの
未来

ATUSHI INOUE
井上 敦史
メモリ応用技術第二部
部長
学生時代は材料工学科でメッキの腐食を研究。1993年東芝へ入社。半導体事業本部評価技術部で、NAND型フラッシュメモリのデータ保持状況などを評価していた。1999年より米国でFAEを経験。NANDの市場開発などを担当。2003年帰国後、評価技術部で90nm、70nm、56nmのNAND製品化を手がけ、2016年4月より現職。
KEIICHI RYU
龍 圭一
メモリ応用技術第一部
部長
工学部電子工学科で磁気分離を研究。1991年東芝へ入社。半導体事業本部に配属。主にメモリ畑を歩き、大分・四日市工場での勤務経験も10年近くある。2006~2010年に北米に駐在。2015年6月より現職。

すでにあらゆる分野でストレージ需要が爆発している現在。
IoTや自動運転技術の進展は、さらなるNAND型フラッシュメモリ市場を生み出そうとしている。
東芝でこの急速な市場の変化に向き合う重要な部署が、メモリ応用技術部だ。
エンジニアたちはそこで市場のこれからをどう見るのか、転職者はそこでどんなキャリアを描くことができるのか。
2人のリーダーに語ってもらった。

たえず先を読みながら
次のメモリ市場を
切り拓く。

ー 東芝内におけるメモリ応用技術部の位置づけを簡単にご紹介いただけますか。

上流工程の仕事としては、製品開発の5年後、10年後のロードマップを描く技術戦略立案があります。製品の仕様をここで決めるわけです。その一方でメモリ製品の需要家である顧客企業を訪問し、当社の製品を使っていただけるよう技術ニーズを探る仕事もあります。第一部、第二部と担当製品をわけていますが、技術戦略・顧客調査の双方に視点をすえながら、短期・長期の戦略を担う部署といえます。

ー ロードマップを描く上では市場分析が欠かせません。
今後のNAND型フラッシュメモリの市場をどう見ていますか。

応用技術第一部の中心は携帯電話やスマートフォン向けメモリのビジネスです。世界的にはスマートフォンの台数は飽和状態に近づいているとも言われますが、世界にはまだまだフィーチャーフォンのままという市場もある。つまり、スマートフォンはまだまだ伸びる余地があり、それに伴ってNAND型フラッシュメモリのニーズは拡大していくと考えています。
もう一つ重要なポイントは、スマートフォンはIoTサービスの入り口にもなる機器だということです。IoTのエンド・ポイント・アプリケーションとしてのポテンシャルは、やはりスマートフォンが最大でしょう。NAND型フラッシュメモリは、IoTサービスを支える重要部品という言い方も可能です。

井上2015年頃の予測では、2020年には44ZB(ゼタバイト)のデータが世界に溢れるが、その頃にデータを格納するストレージはどれぐらい準備できるかというと、圧倒的に足りない。データの受け皿としてデータセンターで使われるストレージは今後SSDが主流になり、その大容量化・高速化・低消費電力化が求められるようになります。SSDのビジネスとSSDに使われるNANDビジネスはまだまだ右肩上がりに拡張し続けると考えています。

クルマの自動運転、
病院間連携システムにも
メモリが必要だ。

ー 新しい市場としてはどういう領域をお考えですか。

例えば自動車分野で言いますと、今後はAIやビッグデータを活用した自動運転の技術が進んでいきます。そのためには、これまでと比べものにならないぐらいの大容量のデータを高速に処理しなければならなくなります。現状のカーナビでは、せいぜい8~16GBぐらいしか必要ないのですが、自動運転となると、数百G~TB級のものが必要になると予測されています。
こうした需要に対応した製品として、「UFS」という組込系ストレージデバイスがあります。今は主にスマートフォンに使われていますが、3~7年後にはこれが自動車にも採用されるようになるでしょう。UFSについては、高速・大容量・自動車向け実用化への道のりという意味では、当社が世界のトップランナーであると自負しています。
他にも、病院間の情報システムの連携、という領域で新たなメモリ需要が出ると予測しています。MRI(核磁気共鳴画像法)などの大容量の画像情報もやりとりするとなれば、リーズナブルな価格の大容量メモリが求められてくるはずです。

井上クルマにしても医療分野にしても、新市場に参入する上で、当社は幅広くメモリ製品を持っている、つまり事業ポートフォリオが豊かであるという点が強みです。NAND単体から応用製品まですべてが揃っていて、それらを組み合わせて、幅広い提案ができることが当社の一番の強みです。

東芝の技術と
顧客のニーズを
すりあわせる最前線に。

ー 応用技術部では、東芝の技術力を提示しながら、内外の顧客企業とディスカッションを重ね、
製品ニーズを探るということもよく行われているのですね。

これはしょっちゅうありますね。月1回~3回、年間の半分ぐらいは海外を飛び回っています。私の出張先では、西海岸、台湾、上海、深圳などが多いですね。顧客とどんな話をするかといえば、例えば次世代不揮発メモリ。既存の我々の主力Mass StorageデバイスであるNAND型フラッシュメモリと比較すると、高速かつランダムアクセス可能で不揮発の機能を備えるという理想的な製品ですが、まだ研究開発段階。
それでも、その新しい技術と既存のNAND型フラッシュメモリを組み合わせることによって、さまざまな顧客に私どもの技術とその組み合わせのポテンシャルを提示し、議論を広げていくわけです。 

井上一方で、顧客からの価格要求は年々厳しくなっています。例えばデータセンターのHDDをSSDに置き換える話でも、提案の初期段階では速度の優位性でHDDとの価格差を吸収していたというところがありましたが、現在はSSDの普及期に入っていますから、他社のSSD製品との価格比較だけでなく、速度要求が厳しくなっています。一方で、顧客がいつもSSDの速度要求を数字に落とし込んだ形でメモリの速度要求として出してくれるとは限りません。定量的ではなく定性的な要求を我々が消化し、きちんと数字に示して、社内のメモリ開発部門などにつなげることが大切になります。

もちろん、当社の開発力の維持という観点で言えば、あえて顧客からの厳しい要求を受け続けることも重要だと考えています。一歩先の要望に応えることがそのまま競争力につながるわけですから。

他の技術や
市場を知っていることが、
転職者のなによりの強み。

ー 応用技術部門の部内の雰囲気はどんな感じなのでしょうか?

これまで他部門、他事業だけでなく、キャリア採用からも大勢のエンジニアが入ってきました。技術のバックグラウンドはきわめて多彩です。最近は外国籍の社員も増えました。こうした多様性をこれからも大切にしたいと思います。NAND型フラッシュメモリ単体の知識だけでは、新しいビジネスは仕掛けられない。需要サイドにとっての課題を先取りしていかなければなりません。我々が自動車業界に攻め込んでいく際にも、大変助かったのは、車載チップに関連した職務経験のあるエンジニアがいたことでした。自動車業界からのメモリ製品に対する要求を知る上で、彼は非常に重要な役割を果たしました。

井上私の部門では、メモリ製品やメモリコントローラ開発経験者など直接NAND型フラッシュメモリの経験がない技術者も採用しています。多様性のある技術者が集まることで私たちの製品開発にも重要なヒントを与えてくれます。

ー キャリア入社者がスムーズに職場に溶け込んで、実力をすぐに発揮してもらうために
留意されていることはなんでしょうか。

NAND型フラッシュメモリそのものの知見ということでいえば、多くの人が入社早々の段階ではほとんどないと言えます。だからこそ、部門内での教育の時間はきちんと取るようにしています。それに加え、全社的に整えられている教育・研修制度も積極的に活用されています。メモリ事業部全体に言えることですが、部門内の風土は多様性が進んでおり、たとえメモリについて専門の知見がない人でもモノを言いやすい雰囲気はあると思います。

井上もちろん東芝は大組織なので、この件は誰に聞けばわかるのか、他部門との働き方をきちんと押さえることで、仕事はスムーズに運ぶもの。そういう知識は転職者には当然ありません。そのあたりについては上長、先輩や同僚から助言してもらったり、OJTで伝えるようにしています。

そもそも採用にあたって最も大事なことは、メモリ事業という部門のミッションをしっかりと理解していただけているかどうかです。それぞれの方の技術のバックグラウンドを活用してもらうためにも、東芝のNANDビジネスを拡大するために、自分は何が貢献できるかという視点をきちんと押さえながら、面接に臨んでいただければ嬉しいですね。