東芝メモリ(株)
キャリア採用

NAND型フラッシュメモリを究め、
さらに次世代メモリへ。
東芝・四日市に誕生した
メモリ技術研究の一大拠点は、
何を目指すのか。

東芝ストレージ&デバイスソリューション社の半導体メモリ生産拠点・四日市工場に、
昨年、新たな研究開発センターが誕生した。
各部署に点在していたメモリ研究開発の精鋭を一堂に集め、最先端のNAND型フラッシュメモリはもとより、
次の市場を担う次世代メモリの製品化スピードを加速することが目的だ。
リーダーたちに研究開発センターの概要と
キャリア人財への期待を語ってもらった。


次世代メモリを見据え、
要素技術の高度化、
製品化のスピードアップを
狙う。

今回は、四日市工場に2016年4月に創設されたメモリ技術研究開発センター(略称MRC)でリーダーシップを発揮する
3人に鼎談をしていただきます。まずはMRC創設の狙いなどから。

神垣ご承知のようにNAND型フラッシュメモリは東芝が発明し、製品化した技術であり、現在の東芝全体を支える屋台骨です。この技術にさらに磨きをかけるのはもちろんですが、と同時に、メモリはフラッシュだけではありませんから、次世代メモリについての開発も加速化させる必要があります。また、要素技術としての評価・解析・分析技術やリソグラフィ、あるいは構造、材料についても深掘りする必要があります。
そこで、東芝の研究開発センター(RDC)やストレージ&デバイスソリューション社の研究開発部門(CSRD)など、メモリ研究開発に関わる人財を全社横断的に集め、創設されたのがMRCです。総勢約400名のエンジニアが集結しました。私も、メモリ事業部の先端メモリ開発センター(AMDC)からこちらに来ています。

石丸私はCSRDからこちらにやってきました。

沼野研究開発部門だけでなく、四日市工場の技術部門からも人が来ています。私もその一人です。

石丸MRCの特徴は事業部内に置かれた組織であるということ。新しいメモリ技術を単に研究して提案して終わりではなく、その製品化も強く意識しています。ただ、工場の量産ラインのなかにこうした新技術を持ち込むのは簡単ではないので、センター専用のラインを構築することも検討しています。

神垣研究開発の段階から、製造部門の人間の視点からの意見を取り込むことで、製品化のスピードが格段に上がることを私たちは経験してきました。さまざまな視点からの意見で議論が進むことが、とりわけ新規メモリの開発では重要になります。


NAND型フラッシュメモリの
限界を突破するために、
新しいコンセプトが必要だ。

当面の研究開発テーマは、3次元フラッシュメモリ「BiCS FLASH™」でしょうか。

神垣 東芝はすでにBiCS FLASH™の量産をスタートしており、BiCS FLASH™は毎年、倍々のスピードで多層化を進めていますが、多層化を究めれば穿孔技術もより難しくなり、構造上の脆弱性も出てくる。こうした多層化の限界を究める研究は、AMDCにて推進しています。MRCでは新たなコンセプトやアプローチで、大幅なコスト削減・大容量化を進めたり、新規市場開発につながるメモリ開発を行うことがテーマになります。

沼野メモリに限らず、現状の技術をブレークスルーした次世代のデバイスをつくるということは、それを検査・計測する技術はいまだ世の中に存在しないということです。材料もまた、これまで使ったことがないようなものを試す必要が出てきますから、それを分析する技術を確立しなければならない。プロセス技術が進化するということは、それを上回るスピードで検査・計測・材料技術を生み出さなければならないということなんです。外部の検査装置メーカーとの協業もこれまで以上に深める必要があると思います。

これまでにないコンセプトやアイディアが求められるわけですが、そうした発想はどのようにして生まれてくるのでしょうか。

神垣社内の個々人の努力ももちろんありますが、外部の研究機関との関わりも深め、広い視野で情報を集めるということも必要です。

石丸半導体を研究する国内外の研究機関と協業していますが、それだけでなくバイオやメディカルの領域の分析技術も参考にしています。例えば、CT(コンピュータ断層撮影)やMRI(核磁気共鳴画像法)の技術を検査技術で応用できないかとか。これまでは日本の総力を挙げてという言い方がありましたが、今後は、グローバルな産学研連携のチームで勝つという時代になっています。

神垣外部研究機関との共同研究では、東芝から人を送りこむこともよくありますね。例えば、ベルギーにある国際的な半導体研究所IMECにもAMDCやMRCから人が行っています。今後、キャリアで入社される方も、世界の研究者と肩を並べるという経験ができる可能性はあります。


ストレージクラスメモリなど
次世代メモリも、
製品化を射程に入れた開発を
進める。

NAND型フラッシュメモリ以外の次世代メモリへの取り組みはいかがでしょうか。

神垣これは重要です。現状NAND事業は好調ですが、これだけだとどうしても依存度が高くなってしまいます。現在のメモリ市場は、DRAMとNANDで二分化されていますが、ともに微細化の限界が叫ばれています。私たちは、それを乗り越えていく次世代メモリの開発を、そしてそれを用いた市場やビジネスを一刻も早く生み出さなければならないのです。
一方で、次世代メモリの開発では、もちろん市場ニーズを無視することはできません。自社の技術はどこまで来ているのかというシーズと、市場のニーズの双方を読み、製品のコンセプトを詰める戦略の策定が欠かせません。

石丸これまでメモリといえば、DRAMとNANDの二つだけだったところに、今後はストレージクラスメモリが分け入ろうとしています。ただ、すべてのニーズを一つのメモリが埋めるとは限らない。顧客とも議論しながらさまざまな可能性を試す必要があります。
データセンターのストレージサーバについて言えば、一つのプロセッサに対してDRAM搭載量の制約が、現状ではあるわけです。多少DRAMよりスピードが遅くても、大容量で不揮発なメモリがあれば、消費電力を下げつつサーバの性能向上が見込めるという提案があります。しかし、その導入のためにはサーバのアーキテクチャそのものを変える必要があるので、一朝一夕にというわけにはいかない。

沼野新しいコンセプトはどういうところから生まれるかという話ですが、私たち解析・分析技術者のところにも、これまでにない材料や構造が持ち込まれることがあります。それに臆していては、こちらも新しい発想が生まれない。ニーズに先行した新しいアイディアというのは、そういう未知の課題への挑戦があって初めて生まれるものだと思います。


半導体と異分野のエンジニアが
議論することで、
ブレークスルーが生まれる。

NAND型フラッシュメモリも、さらに次世代メモリについても、世界のライバル企業としのぎを削りながら研究開発が進むわけですが、これからは世界で勝つための人財戦略を強める必要がありますね。

神垣だからこそ、今回のキャリア採用活動が重要なんです。我々にはない知見・視点を持った方を迎えたい。

石丸例えば、ストレージクラスメモリ一つ開発するにも、DRAMやロジックデバイスの知見が必要になります。学会で情報を集めたり、社外連携も行っていますが、そうした知見、例えばDRAM、ロジック、パワーデバイスなどの開発経験のあるキャリア人財の確保が非常に重要になっています。

沼野半導体の検査計測技術については、ライバル各社にはいい装置があれば買ってこいというところもあります。ところが、東芝は検査機メーカーと一緒になって独自のものをつくり上げていこうというスタイル。検査機メーカーなどで経験を積んできた方に来ていただければ、さらにそのスタイルに磨きがかかります。実際、装置メーカー出身者もいます。なかには、半導体ではないけれども、何らかの製品の分析・解析をやってきたという人もいます。その経験も十分ここで活かされると思いますよ。

石丸先ほども申し上げましたが、新しいメモリの導入では、コンピューティングのアーキテクチャそのものを変えていく必要があるので、システム側、製品側に詳しい人が必要になります。さらには、材料、エッチング、CVD、CMPなどの各要素技術の専門家も重要であり、広く人財を求めています。